研究分担者 |
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40109426)
吉田 和彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (90281807)
南場 研一 北海道大学, 大学病院, 助教 (70333599)
水木 信久 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90336579)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
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研究概要 |
本年度はモンゴロイドに多発するベーチェット病の疾患感受性遺伝子の検索を行った。まず日本人べーチェット病患者で、約3万個のマイクロサテライトマーカーをゲノムワイドに設定し世界に先駆けて疾患感受性遺伝子の検索を行った結果、11個のマイクロサテライトマーカーに疾患感受性候補遺伝子を絞ることができた。そのうち2マーカーはHLA-class I領域にあった。そしてHLA-A,B,E,F,Gのgenotypingを行った結果、日本人べーチェット病の疾患感受性遺伝子はHLA-B*51とA*26であることであることを明らかにした。 次に他の人種での再現性を確認するため、韓国人べーチェット病患者119例と健常対照者141例について、日本人で有意差の見られた11個のマイクロサテライトマーカーについて解析を行い、さらにHLA-class IであるHLA-A,Bのgenotypingを行った。その結果11個のマイクロサテライトマーカー中3つのマーカーで有意差が見られた(p<0.05)。HLAに関する結果ではHLA-B*51が患者群47例39.5%、健常対照群28例19.9%であり、患者群で有意に多く見られた(R.R.=2.59 p=0.00064)。さらに患者の眼症状の有無でHLA-B*51頻度を比較した結果、眼症状を有する群で有意に保有率が高いことが示された(R.R.=2.00 p=0.029。またHLA-A*26が患者群19例16.0%、健常対照群11例7.8%であり患者群で有意に多く見られた(R.R.=2.27 p=0.038)。したがってA*26は韓国人においてもベーチェット病の疾患感受性遺伝子の一つであることが示された。また、アスタキサンチンを用いて眼底血流量を測定したところ有意の増加が見られたことから、新規抗酸化治療の可能性が考えられ、現在そのデータ解析を実施中である。
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