研究課題
本課題で研究対象とされるのは、家族性に智歯以外の6歯以上の先天性多数歯欠損を症候群性に随伴する患者資(試)料である。これらの患者では、発音、咀嚼、咬合といった重大な機能障害を随伴ことが多い。そこで昨年度は、日本人とモンゴル人の家族性先天性多数歯欠損患者15名の資料収集を行い、提供されたDNA試料から遺伝子解析を行った。1. これら得られた資(試)料より、PAX9遺伝子のエクソン2に変異を持つ患者1名と、エクソン4に変異を持つ患者1名を発見した。ベータベースよりいずれも報告のない新規変異であり、この変異遺伝子機能を解析中である。2. MSX1遺伝子のエクソン1下流に11塩基の繰り返し配列が存在する。この領域の機能と歯の発生との関連に興味が持たれ、現在遺伝子機能を解析中である。本計画では、家族性先天性多数歯欠損患の遺伝子解析をメインテーマとしている。昨年度、本課題の遂行を目的として、モンゴル Health Science University of Mongoliaに出張した際、多数の欠損歯を随伴することで知られる無汗性外胚葉異形成症のモンゴル人罹患患者を発見した。本疾患の原因遺伝子であるEDA、EDAR、EDARADDの遺伝子解析を行った結果、EDARADDのdeath domainに新規変異を同定した。現在、患者家族を含めた広範な解析を行っており、変異遺伝子機能の解析も併せて進めている。
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J Dent Res (印刷中)
Orthod Waves (印刷中)
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