研究課題/領域番号 |
19406031
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
須田 直人 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 講師 (90302885)
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研究分担者 |
山城 隆 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70294428)
三留 雅人 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50261318)
福本 敏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30264253)
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (20262206)
小川 卓也 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50401360)
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キーワード | 多数歯欠損 / 遺伝子変異 / PAX / MSX1 |
研究概要 |
本研究では、多数歯欠損に関連したアジア人の疾患関連遺伝子やその遺伝子機能を明らかにする目的で、日本、モンゴルと中国の患者を対象とした家系調査と、その資(試)料を用いた遺伝子解析を行ってきた。 具体的には以下の条件を満たす家系が対象となる。 1)第三大臼歯を含み口腔内に6本以上の先天性欠損歯を有すこと 2)症候群性の異常を合併しないこと 3)本人や家系内の親族がDNA(血液、爪)を含む資(試)料を供与してくれること 本年度は、家族性に症状があらわれた先天性多数歯欠損の大家系を探すことができ多数歯欠損を伴う患者よりDNA試料を提供してもらい既知遺伝子を解析した。その結果、PAX9遺伝子に罹患患者全員が321_322insGという遺伝子変異を有していた。興味深いことに、同じ家系であってもこのような多数歯欠損の見られない方には、この遺伝子変異はなかった。 この遺伝子変異は国内外を問わず全く報告のないものであり、その変異遺伝子機能は大変興味深いものであった。そこで、哺乳類の細胞(COS-7)にこの変異を含むPAX9遺伝子を導入した。興味深いことに、この変異体は野生型と比較して、同程度の転写が起こるものの、mRNAが分解されやすかった。その結果、合成されるタンパク量は野生型と比較してはるかに少なかった。この結果は、Western blotのみならずFITCラベルした免疫染色でも追試が可能であった。 すなわち、今回発見された321_322insG変異をPAX9遺伝子に持つ非症候群先天性多数歯欠損家系の原因は、機能的PAX9タンパク量の不足が原因と考えられた。
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