研究概要 |
VLSI配置・配線問題に対する従来のほとんどの手法ほヒューリスティックであり,解が存在するにもかかわらず解を見つけられなかったり,解を見つけても最適解とは限らない.これに対し,本研究ではグラフ描画の分野で培われてきた手法を応用して,解が存在する限り必ず解を見つけ,しかも最適な解を見つけることが理論的に保障されたアルゴリズムを与えた.これが本研究の一番の特色である. 本研究で開発する内部矩形描画アルゴリズムでは,モジュールに対応するグラフの内面は長方形で描画されるが,VLSIの外形に対応するグラフの外面は長方形とは限らずにL字形やT字形のような軸平行直交多角形で描画することができ,実用的応用に向いている.また,内部矩形描画問題をグラフの完全マッチング問題に帰着するという,きわめて革新的な手法を用いた. 面積指定8角形描画というまったく新しい描画形式を導入することにより,モジュール間の隣接要求を満足させたままで面積要求をも満足する配置が求まることは驚くべき結果である. 直並列グラフの折れ曲り最小な直交描画を求めるアルゴリズムでは,与えられた直並列グラフの平面への埋め込みを固定しておらず,全ての埋め込みの中で折れ曲り数が最小なものを求めることができるところに特徴があり,実用的利点にもなる.
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