平面格子上にある2m個の赤点と2n個の青点を2等分割する準直角形が存在することを証明し、そのような準直角形を求める0(N^2)時間アルゴリズムを求めた。ここでN=2m+2nであり、また各格子線上には多数の点があってもよく、この状況は平面上の2等分割問題とは大きく異なる点である。もし各格子線上に高々1個の点しかないときには、一般の位置にあると言うが、このときには2等分する直角形が存在することを示し、そのような直角形を求める0(N^2)時間アルゴリズムも提案した。また格子の意味で凸となる領域で3等分割できることも示し、そのような分割を求める多項式時間アルゴリズムも提案した。証明はまず、赤点と青点が一般の位置にある場合に、赤点を2等分割する直角形が青点の個数の変動を±1にして移動できることを示すことにより証明し、同時にアルゴリズムも与えた。格子線上に複数個の点があってもよい一般の場合には、平面上にいくつかの擬似的な格子線を挿入することにより、与えられた点を一般の位置にあるようにし、これを2等分割する直角形をもとめ、これを元の状態に戻すと準直角形になることを示すことにより証明した。これらの成果は論文としても発表されている。 またこれに関連して、n個の赤点とn個の青点が平面上に与えられたとき交差のない幾何的完全マッチングが存在することが良く知られているが、これに赤点と青点を結ぶいくつかの直線分を加え、無交差な全域木まで拡張できることなども研究し、一定の成果を得た。これらも論文として発表した。
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