最大クリーク抽出アルゴリズムの効率化・拡張と計算量評価および応用

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19500010
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 情報学基礎
• 研究機関: 電気通信大学
• 研究代表者: 富田 悦次 電気通信大学, 名誉教授 (40016598)
• 研究分担者: 高橋 治久 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90135418) ; 西野 哲朗 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10198484) ; 若月 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (30251705) ; 垂井 淳 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (00260539)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 最大クリーク / 極大クリーク / 分枝限定法 / 並列処理 / NP完全問題 / 時間計算量 / 多項式時間的可解性 / データマイニング

研究概要

最大クリークを抽出する新しいアルゴリズムMCSを開発し,格段に高速であることを明らかにした.これにより,従来では100日以上かかっても解けなかった幾つかの問題を100秒以内で解くことに成功した.最大クリーク問題が多項式時間的に可解となる基本的結果も確立した.また,最大クリーク抽出アルゴリズムがハイパーグラフにおいても効率的に稼働する様に拡張した.更に,これらのアルゴリズムをデータマイニングなどの実問題に応用して有効な結果を得た.

研究成果

• [雑誌論文] A simple and faster branch-and-bound algorithm for finding a maximum clique (2010)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, Y. Sutani, T. Higashi, S. Takahashi, M. Wakatsuki
  • 雑誌名: Lecture Notes in Computer Science 5942 ページ: 191-203
  • 査読あり
• [雑誌論文] Clique-based data mining for related genes in a biomedical database (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Matsunaga, C. Yonemori, E. Tomita, M. Muramatsu
  • 雑誌名: BMC Bioinformatics Online Journal
  • 査読あり
• [雑誌論文] クリークを用いた企業間関係の構造分析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 米森力, 松永務, 関根純, 富田悦次
  • 雑誌名: 日本データベース学会論文誌 7 ページ: 55-60
  • 査読あり
• [雑誌論文] 先進的アルゴリズムに向けて (2009)
  • 著者名/発表者名: 富田悦次
  • 雑誌名: 電気通信大学紀要 21(招待論文)
• [雑誌論文] Implementation issues of second-order cone programming approaches for support vector machine learning problems (2009)
  • 著者名/発表者名: R. Debnath, M. Muramatsu, H. Takahashi
  • 雑誌名: IEICE Trans. Fundamentals E92-A ページ: 1209-1222
  • 査読あり
• [雑誌論文] Development of an automated microscope for supporting qualitative asbestos analysis by dispersion staining (2009)
  • 著者名/発表者名: K. Kawabata, S. Morishita, H. Takemura, K. Hotta, T. Mishima, H. Asama, H. Mizoguchi, H. Takahashi
  • 雑誌名: Journal of Robotics and Mechatronics 21
  • 査読あり
• [雑誌論文] 文脈情報に基づく対象が存在する事前確率の推定 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴山有紀, 堀田一弘, 高橋治久
  • 雑誌名: 電気学会論文誌 129-C ページ: 832-837
  • 査読あり
• [雑誌論文] Improveing the eigenphase method for face recognition (2009)
  • 著者名/発表者名: J.O. Mercado, K. Hotta, H. Takahashi, M.N. Miyatake, K.T. Medina, H.P. Meana
  • 雑誌名: IEICE Electronics Express 6 ページ: 1112-1117
  • 査読あり
• [雑誌論文] An automata-based approach to extract behavioral units and rules (2009)
  • 著者名/発表者名: Y. Kakishita, K. Sasahara, T. Nishino, M. Takahasi, K. Okanoya: Ethological data mining
  • 雑誌名: Data Mining and Knowledge Discovery 18 ページ: 446-471
  • 査読あり
• [雑誌論文] Linear-size log-depth negation-limited inverter for k-tonic binary sequences (2009)
  • 著者名/発表者名: H. Morizumi, J. Tarui
  • 雑誌名: Theoretical Computer Science 410 ページ: 1054-1060
  • 査読あり
• [雑誌論文] Negation-limited complexity of parity and inverters (2009)
  • 著者名/発表者名: K. Iwama, H. Morizumi, J. Tarui
  • 雑誌名: Algorithmica 54 ページ: 256-267
  • 査読あり
• [雑誌論文] Polynomial time identification of strict deterministic restricted one-counter automata in some class from positive data (2008)
  • 著者名/発表者名: M. Wakatsuki, E. Tomita
  • 雑誌名: IEICE Trans. on Inform. Syst. E91-D ページ: 1704-1718
  • 査読あり
• [雑誌論文] 最大クリーク問題の多項式時間的可解性-基本的結果- (2008)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 雑誌名: FIT2008 ページ: 1-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] 実時間空スタック受理式決定性限定ワンカウンタ変換器対の多項式時間等価性判定 (2008)
  • 著者名/発表者名: 清野和司, 富田悦次, 若月光夫
  • 雑誌名: 電子情報通信学会論文誌D J91-D ページ: 1188-1201
  • 査読あり
• [雑誌論文] カーネル主成分分析を用いた学習機械のパラメータ自動決定法 (2008)
  • 著者名/発表者名: 関口涼平, 高橋治久, 堀田一弘
  • 雑誌名: 情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用 49 ページ: 79-87
  • 査読あり
• [雑誌論文] 小脳顆粒層をモデル化したスパイキングネットワークの研究:NMDA受容体を介した同期発火状態と時間表現状態の遷移 (2008)
  • 著者名/発表者名: 本多武尊, 山崎匡, 田中繁, 西野哲朗
  • 雑誌名: 電子情報通信学会論文誌D J91-D ページ: 1-10
  • 査読あり
• [雑誌論文] On the minimum number of completely 3-scrambling permutations (2008)
  • 著者名/発表者名: J. Tarui
  • 雑誌名: Discrete Mathematics 308 ページ: 1350-1354
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reductions for monotone Boolean circuits (2008)
  • 著者名/発表者名: K. Iwama, H. Morizumi, J. Tarui
  • 雑誌名: Theoretical Computer Science 408 ページ: 208-211
  • 査読あり
• [雑誌論文] An efficient branch-and-bound algorithm for finding a maximum clique with computational experiments (2007)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, T. Kameda
  • 雑誌名: Journal of Global Optimization 37 ページ: 95-111
  • 査読あり
• [雑誌論文] Guest editors' foreword (2007)
  • 著者名/発表者名: H.U. Simon, E. Tomita(Eds. )
  • 雑誌名: Theoretical Computer Science 387 ページ: 1-3
• [雑誌論文] ε-推移を許したある決定性プッシュダウン変換器対の等価性判定 (2007)
  • 著者名/発表者名: 清野和司, 富田悦次, 若月光夫
  • 雑誌名: 電子情報通信学会論文誌D J90-D ページ: 2675-2690
  • 査読あり
• [雑誌論文] How to derive a quantum complexity lower bound (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Nishino
  • 雑誌名: Electronics and Communications in Japan, Part 3 90 ページ: 9-17
  • 査読あり
• [雑誌論文] インターナルクロックモデルに基づくロボット制御法の実現 (2007)
  • 著者名/発表者名: 眞鍋秀聡, 西野哲朗, 山崎匡, 田中繁
  • 雑誌名: 情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用 48 ページ: 139-154
  • 査読あり
• [雑誌論文] 最大クリーク問題の多項式時間的可解性の一結果
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 雑誌名: 電子情報通信学会論文誌D J93-D(採録決定)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Smallest formulas for the parity of 2k variables are essentially unique
  • 著者名/発表者名: J. Tarui
  • 雑誌名: Theoretical Computer Science (採録決定)
  • 査読あり
• [雑誌論文] A well-mixed function with circuit complexity 5n: Tightness of the Lachish-Raz-type bounds
  • 著者名/発表者名: K. Amano, J. Tarui
  • 雑誌名: Theoretical Computer Science (採録決定)
  • 査読あり
• [学会発表] 最大クリーク抽出の単純な最大時間計算量と多項式時間的可解性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次, 若月光夫
  • 学会等名: 冬のLAシンポジウ
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2010-02-03
• [学会発表] 空スタック受理式決定性限定ワンカウンタ変換器の多項式時間等価性判定アルゴリズム (2010)
  • 著者名/発表者名: 若月光夫, 清野和司, 富田悦次, 西野哲朗
  • 学会等名: 冬のLAシンポジウム
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2010-02-02
• [学会発表] A simple and faster algorithm for finding a maximum clique (2010)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, Y. Sutani, T. Higashi, S. Takahashi, M. Wakatsuki
  • 学会等名: 情報処理学会アルゴリズム研究会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 2010-01-26
• [学会発表] 最大クリーク抽出の単純な最大時間計算量評価 (2009)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次, 若月光夫
  • 学会等名: 夏のLAシンポジウム
  • 発表場所: かんぽの宿松島
  • 年月日: 2009-07-22
• [学会発表] Polynomial-time solvability of the maximum clique problem (2009)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, H. Nakanishi
  • 学会等名: Proc. European Computing Conference 2009
  • 発表場所: Tbilisi, Georgia
  • 年月日: 2009-06-26
• [学会発表] 組合せ最適化問題の新展開-最大クリーク抽出問題の高速化とその応用- (2009)
  • 著者名/発表者名: 富田悦次
  • 学会等名: 緊急地震速報システムの利活用研究会
  • 発表場所: 晴海トリトンスクウェア
  • 年月日: 2009-03-27
• [学会発表] 準同型写像によって拡張されたある言語クラスに対する正例からの極限同定 (2009)
  • 著者名/発表者名: 若月光夫, 富田悦次
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会
  • 発表場所: 沖縄科学技術研究基盤機構
  • 年月日: 2009-03-05
• [学会発表] 最大クリーク抽出アルゴリズムの共有メモリ型並列計算機上での並列化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 若月光夫, 高橋真也, 富田悦次
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会
  • 発表場所: 電気通信大学
  • 年月日: 2008-09-18
• [学会発表] 最大クリーク抽出問題の理論計算量評価について-グラフの次数を限定した場合 (2008)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 学会等名: 情報処理学会アルゴリズム研究会
  • 発表場所: 名古屋工業大学
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] 最大クリーク抽出問題とその応用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 富田悦次
  • 学会等名: 北海道大学大学院情報科学研究科コンピュータサイエンス専攻離散構造とアルゴリズム研究会
  • 発表場所: 千歳市支笏湖丸駒温泉
  • 年月日: 2008-08-28
• [学会発表] 最大クリーク抽出問題の理論計算量評価について-多項式時間計算機量の場合 (2008)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 学会等名: 夏のLAシンポジウム
  • 発表場所: 南紀勝浦国民休暇村
  • 年月日: 2008-07-23
• [学会発表] 最大クリークを抽出する時間計算量O (20. 1912n)の多項式領域アルゴリズム (2008)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 学会等名: 情報処理学会アルゴリズム研究会
  • 発表場所: 法政大学
  • 年月日: 2008-01-23
• [学会発表] The maximum clique pro blem and its applications (Invited Le cture) (2007)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会/バイオ情報学研究会
  • 発表場所: 産総研生命情報工学研究センター
  • 年月日: 2007-12-20
• [学会発表] 理論評価付き最大クリーク抽出アルゴリズムの実験的評価 (2007)
  • 著者名/発表者名: 玉田和洋, 富田悦次, 中西裕陽
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会/バイオ情報学研究会
  • 発表場所: 産総研生命情報工学研究センター
  • 年月日: 2007-12-20
• [学会発表] 極大クリーク全列挙アルゴリズムを用いた企業コミュニティ理解 (2007)
  • 著者名/発表者名: 米森力, 松永務, 富田悦次
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会/バイオ情報学研究会
  • 発表場所: 産総研生命情報工学研究センター
  • 年月日: 2007-12-20
• [学会発表] NetMCQ: A distributed exact maximum clique so lver (2007)
  • 著者名/発表者名: S. Urabe, E. Tomita
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会/バイオ情報学研究会
  • 発表場所: 産総研生命情報工学研究センター
  • 年月日: 2007-12-20
• [学会発表] 最大クリークを抽出する時間計算量O(20. 19669n)の多項式領域アルゴリズム (2007)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 発表場所: 新潟大学
  • 年月日: 2007-11-30
• [学会発表] 最大クリークを抽出する時間計算量O(20. 2495n)の多項式領域アルゴリズム (2007)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 発表場所: 東北大学
  • 年月日: 2007-10-29
• [学会発表] Advanced algorithms and their applications (2007)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita
  • 学会等名: Advanced Information and Communication Technology
  • 発表場所: Beijing, China
  • 年月日: 2007-09-20
• [学会発表] Polynomial time identification of finite state transducers in some class (2007)
  • 著者名/発表者名: M. Wakatsuki, E. Tomita
  • 学会等名: Advanced Information and Communication Technology
  • 発表場所: Beijing, China
  • 年月日: 2007-09-20
• [学会発表] ハイパーグラフを対象とした最大クリーク抽出の分枝限定アルゴリズム (2007)
  • 著者名/発表者名: 須谷洋一*, 富田悦次, 小林聡
  • 学会等名: 情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会
  • 発表場所: 名古屋大学(*情報処理学会山下記念研究賞受賞)
  • 年月日: 2007-09-04
• [学会発表] 最大クリークを抽出する単純なアルゴリズムの最大次数4のグラフにおける計算量 (2007)
  • 著者名/発表者名: 中西裕陽, 富田悦次
  • 学会等名: 電子情報通信学会コンピュテーション研究会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2007-06-29
• [学会発表] A more efficient algorithm for finding a maximum clique with an improved approximate coloring (2007)
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, Y. Sutani, T. Higashi
  • 学会等名: Proc. PDPTA
  • 発表場所: Las Vegas, USA.
  • 年月日: 2007-06-25
• [図書] 第2版現代数理科学辞典 (2009)
  • 著者名/発表者名: 富田悦次
  • 総ページ数: 1450
  • 出版者: 丸善
• [図書] オートマトン・言語理論(第21刷・改訂増刷) (2009)
  • 著者名/発表者名: 富田悦次,横森貴
  • 総ページ数: 205
  • 出版者: 森北出版
• [図書] 学習理論 (2009)
  • 著者名/発表者名: 高橋治久, 堀田一弘
  • 総ページ数: 215
  • 出版者: コロナ社
• [図書] 量子情報の物理-量子暗号,量子テレポーテーション,量子計算- (2007)
  • 著者名/発表者名: 西野哲朗, 井元信之
  • 総ページ数: 400
  • 出版者: 共立出版
• [図書] 図解雑学・量子コンピュータ (2007)
  • 著者名/発表者名: 西野哲朗
  • 総ページ数: 216
  • 出版者: ナツメ社
• [図書] Efficient algorithms for finding maximum and maximal cliques-Effective tools for bioinformatics-" in "Biomedical Engineering, Trends, Researches and Technologies
  • 著者名/発表者名: E. Tomita, T. Akutsu, T. Matsunaga
  • 出版者: INTECH
• [図書] 数理モデルの応用技術(情報処理学会50周年史,第3編,第17章)
  • 著者名/発表者名: 中森眞理雄, 富田悦次
  • 出版者: 情報処理学会
• [備考]
  • URL: http://www.etlab.ice.uec.ac.jp/~tomita/index_e.html