研究概要 |
平成21年度は,主に相互結合網の位相として有望なmetacubeを対象とした.Metacubeは,ハイパーキューブの亜種であり,n次元バイパーキューブが2^n個のノードを次数nで結合し,直径がnとなるのに対して,(k,m)-metacubeでは,次数がk+mと小さいにもかかわらず,2^d個ものノードを結合し(d=m2^k+k),直径をn(k-1)に抑えることが可能となる.本研究では,このmetacubeに対して,多重故障ノードの存在を仮定し,これを回避して通信経路を確立するために,1つのノードから(k+m)個のノードへの素な経路をO((M+K)M2^k)時間で求めるアルゴリズムを提案した.また,metacubeの特殊な場合に対応する,完全階層ハイパキューブに対しても,その特徴を活かして改良したノードからノード集合への素な経路選択を行う多項式時間アルゴリズムを提案した.さらに,metacubeとは別に,相互結合網の位相として提案されている焦げたパンケーキグラフにおける耐故障経路選択アルゴリズムを提案した.このアルゴリズムは,次数nの焦げたパンケーキグラフにおいて,高々n-1個の故障ノードに対して,任意の非故障ノード対間に長さ高々2n+4の非故障経路をO(n^2)時間で構成することができる.
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