研究概要 |
本研究では,モデル中心型の組込みソフトウェア開発において,モデル変換論理を形式的に記述する方法を確立し,それに基づくモデルの自動生成を中心とする開発支援環境のプロトタイプを構築した.本研究では,プロダクトライン型ソフトウェア開発に用いられるソフトウェアアーキテクチャ設計のための各種モデルに対するモデル変換の体系的な適用を技術的な中核と位置付け,アスペクト指向に基づいてソフトウェアアーキテクチャを記述する枠組みを,E-AoSAS++(Aspect-oriented Software Architecture Style for Embedded Systems)として定式化した.E-AoSAS++を用いることで,外的要因,ハードウェア要因など様々な視点が絡み合う組込みソフトウェアアーキテクチャを効果的にモジュール化することができる.本研究の成果である支援環境は,E-AoSAS++の記法に基づいて構築されている.支援環境では,要求仕様からソフトウェアアーキテクチャを導出するための自動化支援の可能性について検討するとともに,アーキテクチャ記述に特定のアプリケーション論理を加えることで,Java,C++などのプログラムコードを生成する支援ツールのプロトタイプを構築した. 本研究ではまた,提案する手法やツールの妥当性や有効性を明らかにするために,軟式飛行船ロボットの自動航行制御の組込みソフトウェアを取り上げて,事例検証を行った.
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