研究課題
本研究は、我々が取り組んでいる拡張可能なアスペクト指向モデリング支援環境(AspectM支援ツール)構築に関する研究の一環として実施している。AspectM支援ツールは開発者自身が機能拡張できるモデルエディタとモデルコンパイラから構成される。拡張可能なため開発ドメインに適したモデル変換が可能になるという利点を持つ一方、変換の正しさを保証することが困難になる。昨年度は、このような問題を解決するため、検証可能なモデルコンパイラを実現するための要素技術をプロタイプ開発した。検証項目として、(1)モデル変換された結果が文法的に正しいか(メタモデルに適合しているか)?、(2)開発者が施したモデル変換に対する拡張が意図した形で行われているか?、の2点を考えた。本年度は、検証機能の強化に注力した。従来のAspectMはPrologベースの検証であったが、今回、OMG標準のOCL(Object Constraint Language)を用いた検証方法に変更した。これにより、世の中の標準技術に沿った検証機構を提供することが可能になった。また、クラスレベルの検証(クラスモデルの構造チェック)だけでなく、インスタンスレベルの検証(オブジェクト間に不適切な結びつきがないか否かのチェック)も可能にした。後者の検証機能は、UMLモデルをAlloyに変換することにより実現した。本年度は、AspectM開発で培った要素技術を他のモデリング手法に応用する試みも行った。具体的には、関心事指向アーキテクチャモデリングツールの開発、検証機構の実現に応用した。本年度の研究成果は、ICSEワークショップMiSE2008、国際会議SERA2008、ASE2008などで発表した。最終年度である平成21年度も、積極的に国際会議に論文投稿して行く予定である。
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システム制御情報学会誌 vol. 52 no. 9
ページ: 316-321
6th International Conference on Software Engineering Research, Management and Applications (SERA 2008)
ページ: 171-178
23rd IEEE/ACM International Conference on Automated Software Engineering (ASE 2008)
ページ: 501-502
http://posl.minnie.ai.kyutech.ac.jp/