研究課題
本研究は、我々が取り組んでいる拡張可能なアスペクト指向モデリング支援環境(AspectM支援ッール)構築に関する研究の一環として実施した。AspectM支援ツールは開発者自身が機能拡張できるモデルエディタとモデルコンパィラから構成される。拡張可能なため開発ドメインに適したモデル変換が可能になるという利点を持つ一方、変換の正しさを保証することが困難になる。昨年度までに、OMG標準のOCL(object constraint Language)とQVT(Queries/Views/Transformations)を用いた拡張可能なモデル変換機構とそれに対応する検証機構を開発した。また、クラスレベルの検証(クラスモデルの構造チェック)だけでなく、インスタンスレベルの検証(オブジェクト間に不適切な結びつきがないか否かのチェック)を可能にするため、UMLモデルを軽量形式仕様記述言語の一つであるAlloyに変換する方法を開発した。本年度は、AspectMに関する研究の総仕上げを行うと共に、次の研究ステップに進むための準備を行った。前者については、国際会議CAiSE 2009 (21st International Conference on Advanced Ireformation Systems)で今までの成果を発表した。CAiSEは情報ンステム分野に関するプレミア国際会議の一つである(採択率は10数パーセント)。後者にっいては、モデリング技術の重要適用領域の一つであるアーキテクチャ設計とプログラムコードの間の双方向追跡性と検証を可能にする研究に着手した。具体的にはアーキテクチャが記述可能なインタフェース機構をアスペクト指向の考え方をベースに実現する方式を考案した。今後、モデリングとプログラミングをつなぐ新たな言語機構として発展する可能性が高い。まだ初期段階の研究であるが、現時点の研究成果をまとめた論文が国際会議ICSE 2010 (32nd ACM/IEEE International Conference on Software Engineering)に採択された。ICSEはソフトウェア工学の分野では世界最高峰の国際会議であり、今後の発展が期待される。
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32nd ACM/IEEE International Conference on Soft ware Engineering(ICSE 2010) (採録決定)
21st International Conference on Advanced Information Systems(CAiSE 2009)
ページ: 17-31
6th ECOOP 2009 Workshop on Reflection, AOP and Meta-Data for Software Evolution(RAM-SE'09) (ACM Digital Library)
http://posl.minnie.ai.kyutech.ac.jp/