研究概要 |
HCgorillaのH/S協調設計に関して、ソフトウェア側からの実施項目は、ユビキタスの豊富なアプリケーション分析に基づく命令セットの構築、ユビキタスの携帯性と高い普及率を維持するためにマルチコア、マルチパイプに相応しい命令フェッチ機構とソフトウェアの並列機構の調整、並列化コンパイラの設計である。ハードウェア側からの実施項目は以下の通りである。 1.命令フェッテ機構の設計:コンパクトな命令フォーマットとストリーム暗号用SIMD型命令に対応する可変バイト長命令の自動検出機構と、複数命令を最適パイプラインに自動分配するハードウェア機構を作り上げる。 2.マルチメディア演算機能の強化:浮動小数点演算回路をメディアパイプに組み込む。 3.ウェーブ化の最適設計手法の開発:多機能回路のウェーブ化のこれまでの成果をもとに、論理段数とファンアウト間のバランスをとる。更に、設計自由度の乏しいグローバルスタンダードのCADツールを離れ、ファインチューニングによるクロックツリーの調整とゲートサイジング手法で、ウェーブ化の最適設計を行う。 4.チップ試作:設計環境整備(2台のワークステーションに対するSynopsysとCadenceのCADツールとセルライブラリのインストールと整備、東京大学VDECと弘前大学間のネットワーク設定)を行い、論理合成、物理設計を行った。これらと平行してウェーブ化を進めた。VDECの0.18μm,2.5×5.0mmプロセスでHCgorillaチップを試作した。
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