研究概要 |
本研究の目的は,ハードウェア特殊化技術の新たな適用分野を探求すると共に,実用化のための基盤整備を行うことである.特に,(1)制御回路の特殊化,(2)プロセッサアーキテクチャの特殊化,の2点を具体的応用例として検討を進めている. 本年度の成果は以下の通りである.研究テーマ(1)については,制御ソフトウェアから論理回路を自動生成するシステムについて研究成果"An FPGA implementation of hard-wired sequence control system based on PLC software"が論文誌(IEEJ Transactions)に採録された.また,MATLAB/Simulinkの制振制御モデルからハードウェアを自動生成する研究について,制御の重要な要素であるディジタルフィルタの特殊化技術を実験・評価し,学発表(2件)を行った.この研究成果は,現在国際会議にも投稿中である.さらに上記の成果を踏まえて,追従制御システム全体のFPGAによる設計と評価を行った(この結果は5月の研究会で発表し,さらに国際会議に投稿予定である). 研究テーマ(2)については,不均一な並列計算環境におけるプロセッサ利用方法の最適化について,研究成果"Optimizing Process Allocation of Parallel Programs for Heterogeneous Clusters"が国際論文誌(Concurrency and Computation : Practice and Experience)に採録された.これは,マルチコアPCクラスタ等の不均一並列計算資源を,計算対象(プログラムとデータ)に合わせて特殊化するという立場の論文である.これによりスーパーコンピュータ等の計算資源の効率的利用が可能になると期待される. さらに,以上の研究の副産物として,暗号化回路の特殊化について研究を進め学会発表(1件)を行った.低消費電力で小型高性能な真性乱数生成回路についても,引き続き研究を進めている.
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