研究課題
本年度は、シフトのための信号劣化回避型テスト手法の提案(要素技術1)及びキャプチャのための信号劣化回避型テスト手法の提案(要素技術2)を目標に実施した結果、以下の研究成果を得ることができた。研究成果1(シフトのための信号劣化回避型テスト手法)テストデータとテスト応答をスキャンパスで伝送するシフト操作における論理回路内信号変化数を、1/N(Nは回路設計者が指定できるパラメータ)に削減するため、スキャンパス分割及び強制定数(論理0または論理1)入力という2つの手法を提案した。テスト入力データを変更せずシフト時の消費電力を大幅に削減することに成功した。研究成果2(キャプチャのための信号劣化回避型テスト手法)テスト応答を記憶素子に取り込むキャプチャ操作における論理回路内信号変化数を削減するため、(1)故障検出に必要でないクロックの停止、及び(2)動作フリップ・フロップの入出力値の同一化という2つの新しい手法を提案した。また、これらの新しいキャプチャ電力削減手法に合わせて、新しい未定値ビット(Xビット)判定手法をも開発した。これらの手法はテストキューブに存在する未定値ビットに最適な論理値を与えることによって行われるため、回路変更なしでキャプチャ時の消費電力を大幅に削減することができる。上記のシフトのための信号劣化回避型テスト手法とキャプチャのための信号劣化回避型テスト手法について、2百万ゲート級実回路で実験した結果、信号劣化を完全に回避できることが確認された。
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IPSJ Transaction of System LSI Design Methodology 1
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