研究概要 |
本年度は,ディスプレイのエネルギー消費の低減化を目的とした,「ユーザー視線の監視によるディスプレイ電力管理技術の開発」と「ユーザー視線の監視によるバックライト照度の最適化」に関する研究を行った。詳細は以下の通りである。 1.到達目標の設定。提案技術により可能となる諸特性の改善度を定量的に検討し,到達目標を明確にした。また,ディスプレイ電力管理技術に関する仕様策定,ユーザー、センシング機能,システム構成,入出カインターフェイス,ハードウェア設計に関する要求仕様を決定した。 2.アルゴリズムの開発。提案する新電力管理技術において,1個のビデオ、カメラを用いて低消費電力でかつ効率よくユーザーの視線を検出するアルゴリズムの開発を行った。ここでは,動画像における顔領域抽出(肌色領域検出,2値化,雑音除去,ラベリングなど)処理や瞳検出処理に関する演算量とメモリ、アクセス回数を削減する手法の検討を行い,そのアルゴリズムを確立した。更に,ユーザーの振る舞いによるバックライト輝度調整電源電圧のレベル化,変換手法,制御アルゴリズムの最適化に関する調査を行った。以上のアルゴリズムを開発した後,アルゴリズムをC言語で記述し,シミュレーションならびに検証をした。 3,プロトタイプハードウェアの作成。ユーザーの振る舞いを監視するシステムのアーキテクチャ,構成,回路設計に関する調査を行い,FPGAによるハードウェアの設計と実験評価をした。また,ディスプレイ、バックライト、コントローラを試作しTFTディスプレイに組み込んだ。
|