研究課題/領域番号 |
19500059
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岡 育生 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80160646)
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研究分担者 |
笹野 博 近畿大学, 理工学部, 准教授 (00122052)
阿多 信吾 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30326251)
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キーワード | 一般化直交変調 / クラスタリング / ラベリング / 変調方式識別 / セキュリティ / 情報通信工学 |
研究概要 |
一般化直交変調方式は多次元空間の回転を用いて変調方式を定義するもので、回転平面と回転角の系列からなる変調パラメータを変更することにより、高いセキュリティが期待できる.本年度は、直交変調識別に関して研究を行い、以下の成果を得た. 1 変調方式を識別するには、まず、受信した信号点にクラスタリングを行い、送信信号点を同定する必要がある.このため、アルゴリズムが簡単で実現が容易なk-means法によるクラスタリングについて検討した.K-means法は信号点の初期値に大きく依存しSN比が高い領域で識別誤り率が増加するため、信号点の初期値が集中しない方法を見いだしその効果を確認した.次に、クラスタリング後の信号点の推定値にグレイ符号のラベリングを行うアルゴリズムを開発した.また、これらのクラスタリングとラベリングの結果より一般化直交変調の変調パラメータを推定する方法として、隣接信号点の差分ベクトルを求め、これを規定ベクトルとする方法の提案を行った.計算機シミュレーションにより3次元から8次元までの一般化直交変調の変調パラメータの推定が可能であることを明らかにした. 2 識別が容易ではない多値の直交振幅変調を識別する新たな方式として,受信信号のうち大きな電力の信号点のみを用いる余弦モーメント法の提案を行った.この方式は位相誤差の大きくなる小電力の信号を除去することにより識別能力を高めるものである.計算機シミュレーションより、従来手法と比較して識別誤り率が改善されることを明らかにした.
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