研究概要 |
一般化直交変調方式は多次元空間の回転を用いて変調方式を定義するもので、回転平面と回転角の系列からなる変調パラメータを変更することにより,高いセキュリティが期待できる.本年度は,直交変調識別に関して以下の成果を得た. 1変調方式の次元数の大きくなった場合,信号点数が指数的に増加して,すべての信号点を扱う方式ではその推定が困難となる.このため,次元数程度の信号点のみを推定し,これらを用いて変調方式の基底ベクトルを求めることにより,次元数が大きくても推定が可能な推定方式を開発した.また,計算機シミュレーションを用いてその推定方式を用いた場合のビット誤り率を求め,その有効性を明らかにした. 2小信号を用いない余弦モーメントによる多値直交振幅変調の識別方式の識別誤り率を解析的に導出し,計算機シミュレーションの結果と比較検討して,解析の妥当性を明らかにした. 3余弦モーメント法による多値直交振幅変調の識別誤りを改善するため,振幅モーメントを併用して2次元の判定変数を用いる識別方式の提案を行った.識別誤り率の計算機シミュレーションを行い,提案方式では余弦モーメントのみを用いる識別方式と比較して,大幅に識別誤り率が良くなることを示した.
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