本研究では、ネットワーク仮想ディスクによる階層型RAID構成技術を用いて、高信頼、高効率な大容量ストレージをPCグリッド上に実現した。ここで、高信頼性とはSANと同程度の信頼性を指し、高効率とは50%以上の容量効率と優れた価格性能比を指す。基盤となるPCグリッドが不安定なためSANより高い信頼性が要求される。そこで階層型RAIDを用いて高信頼性を実現した。 平成19年度では、25TBのテストベッド上で、仮想的に70TBストレージ・サーバを構築した。ディスクの低価格化が進行したため当初より大容量のストレージを構築できた。このテストベッド上で、RAID6クラスを実装し、RAID0-6クラスの性能特性を評価した。これによりSW RAIDの特性が明らかになった。 また、2階層RAID6(RAID66)を実現し、システム評価を行った。その結果、従来非階層RA工Dより高信頼な8耐故障を実現できた。また、仮想ディスクを表現するVDMLを提案し、これを実装した。その遠隔制御を行う管理システムを試作したが、今後も改良を続ける。これらは当初研究計画通り進行した。
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