本研究では、ネットワーク仮想ディスクによる階層型RAID構成技術を用いて、高信頼、高効率な大容量ストレージをPCグリッド上に実現した。ここで、高信頼性とはSANと同程度の信頼性を指し、高効率とは50%以上の容量効率と優れた価格性能比を指す。基盤となるPCグリッドが不安定なためSANより高い信頼性が要求される。そこで階層型RAIDを用いて高信頼性を実現した。 平成21年度では、以下の成果を得た。 (1)3耐故障RAIDとしてNaryRAIDを実装した。NaryRAIDはN進数に基づきパリティグループを形成するマルチパリティ方式の拡張RAIDである。NaryRAIDはRAID55に比べて容量効率がよい。アルゴリズムの検証が終了し、今後は実装を行う予定である。 (2)資源の全体最適化と管理の容易化を実現するため仮想ディスクモデリング言語と、それに基づく管理方式を提案した。 (3)サーバの負荷を分散するため単一の大規模ストレージ方式から複数の小規模ストレージ方式に切り替えた。
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