研究概要 |
最近の無線通信技術とデジタル、エレクトロニクス技術の発展によって低コスト,低電力,多機能なセンサ,ノードが実現されつつある。このようなセンサ,ノードは大きさが小さく,通信距離が短いという特徴をもっている。Wireless Sensor Networks(WSNs)はこのようなセンサ,ノードをたくさん協調させて実現される。WSNではセンサ,ノードが持つ電力に制限があるので,電力の消費を抑える必要がある。さらに,このようなWSNにアクタを加えたWireless Sensor and Actor Networks(WSANs)が提案されつつある。WSANは現実世界から情報を収集してデータを処理し,集めた情報に基づいて最適なアクションを実行する。WSANではセンサ,ノードの密度が高く,アクタ,ノードの密度が低い。また,WSANを構成するセンサ,ノード,アクタ,ノードは移動できるのでネットワークのトポロジーは変化する。WSNとWSANを実現するためには経路制御および電力制御が重要な研究テーマとなっている。しかし,経路制御をするためには複数のパラメータが必要となるので,NP完全問題となり,解決手法としてはヒューリスティックな手法が有効である。そこで,我々はヒューリスティックな手法として知的アルゴリズムを用いたWSNとWSANの経路制御と電力制御のための新しい解決法を探すことを目指している。また,センサ,ノードを設置する時にはランダム配置が利用されてきた。しかし,小規模な範囲ではランダム配置の適用は難しい。隣接ノード間の距離や送受信電力を考慮してないため,十分な省電力効果が得られず,経路上のノードの残余電力が急速に枯渇し,最適なシステムを図ることが困難になる。このため,ネットワーク,トポロジーや伝搬モデルに応じたパラメータの最適化が必要となる。そこで,センサ,アクタ,ネットワークのシミュレーション,システムを構築し,エネルギー使用量の最適化ができるネットワーク,トポロジーとネットワーク,プロトコルを検討し,評価を行った。シミュレーションによる評価の結果を利用してテストベッドの実装を行う。
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