研究課題
H21年度に実施した内容は、H19年度およびH20年度に評価・計測したマイクロセンサーネットワークのデータ特性を基礎として、実証するには困難な大規模アドホックネットワークをシミュレーションにより実現し、次の二点について実験を実施した。第一に、ルーティングプロトコルに注目し、マイクロセンサーネットワークで使用されているAODVについて、移動体モデルおよび電波伝搬距離を変えてルーティングパフォーマンスを評価した。AODVは移動体に適したルーティングプロトコルであるため、移動によるリンク切れに対して、頻繁にRouteRequestパケットを送出するフラッディングが繰り返されパフォーマンスの劣化が発生する。本研究では、フラッディングが抑制される最適なノード密度を、異なる移動体モデルにおいて抽出することができた。また、均一に伝搬する伝搬モデルの上で伝搬距離を変化させてフラッディングが抑制される最適な距離を抽出することができた。マイクロセンサーネットワークにおいては電源制御ができないため伝搬距離を動的に変更することができないが、伝搬距離を変えることができるデバイスが存在する場合には、フラッディングを抑制するノード密度を保ちながら最適な伝搬距離を電力制御によって実現することが可能となる。第二に、TCPに関するパフォーマンス評価を実施した。アプリケーションにとっては、TCPの性能がアプリケーションの性能に大きく影響し、そのルートパス上のボトルネックによりその性能が決まる。本研究では、ボトルネック上のルータのキュー制御方式を異なるself-similarなトラフィック分布において評価し、その有効性を評価した。トラフィックの分布特性を変えることによって、タイプの異なるトラフィックに対する有効なキュー制御方式がREDなどのアクティブキュー制御方式であることを抽出することができた。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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