(C^<5+>+H_2)、(C^<4+>+H_2)系断熱ポテンシャルを分子の配向を変化させた場合について量子化学計算で精密に決定し、カップリングについてはランダウーゼーナー型、およびローゼンーゼーナー型の交差問題として扱い、重イオン衝突による標的分子からの電荷移行について散乱断面積を量子力学的緊密波法により計算する。量子力学的緊密波法による計算は(H+CH_4)^+、(H+C_2H_2)^+、(H+C_2H_4)^+、(H+C_2H_6)^+および(H+CO)^+について既に行っており、(C^<5+>+H_2)、(C^<4+>+H_2)系においても、これらの研究を発展させて行っている。この系は電荷移行の方向角度依存性など、色々な応用分野で重要であり、今までの簡単なイオン-原子や2原子分子に比較して多大の計算量が必要となった。 実験値の一部存在する過程やエネルギー領域については補間する作業を実施し、理論値との詳細な比較検討を行っている。この実験理論合同の比較検討作業から最も信頼できると思われるそれぞれの過程についての反応確率の値を決定し、総合的反応確率データを集積している。さらに、これらデータのデータベース化とそのライブラリー化を構築中である。同様の作業を医療関連分野のみでなく、出来るだけ汎用性の高いデータベースにするために材料関連や環境問題へ拡張すべきデータベースの構築を行っている。核融合研サーバにおいて公開されているデータベースに一部データは収録されている。
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