研究分担者 |
夏井 雅典 豊橋技術科学大学, 工学部, 助授 (10402661)
齋藤 努 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム, 教授 (60280393)
工藤 憲昌 八戸工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (40270194)
野口 健太郎 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 准教授 (00335100)
山口 満 豊橋創造大学, 情報ビジネス学部, 講師 (60413762)
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研究概要 |
音高推定困難和音については,ノッチ型くし形フィルタと自己相関法により,ユニゾンを除いた音域3-5オクターブ,2和音に関して85%の音高推定率を実現した。従来は,周りの情報を利用した推定であったものを単独和音のみで高い推定率を実現できた意味は大きい。また,多和音に関しては,ノッチ型くし形フィルタの逆特性の共振型くし形フィルタの並列接続により,ピアノ音の4オクターブの7和音に対して約70%の音高推定率を得た。ノッチ型くし形フィルタの縦続接続では,和音数の増加により後段のくし形フィルタに相当する音高の推定が困難になる問題を解決した。広音域については,ピアノの全音域(88音)の2和音に対して,広音域の問題点として非調和成分や高音域のサンプル数の減少によるフィルタ精度が低下する問題を明らかにし,その対策法として音域を3分割し,低域にはノッチ型くし形フィルタ,中域,高域には共振型くし形フィルタおよび高域には補間法によりサンプル数を増加させる方法によりフィルタ精度を改善し,71%の音高推定率を実現した。 打楽器音を含む楽音に対しては,オクターブ3-5に対して,ピアノ音と6種類の打楽器音の楽音に対して近接した2個の共振型くし形フィルタの出力差を利用して,打楽器と楽音を区別する方法により,95%の音高推定率を得た。従来の共振型くし形フィルタ出力の大きな物に注目する方法での70%の推定率を大きく改善した。なお,これらの方法の音域の拡大,多和音数の拡大等と,これらの応用としての電子透かし法や個人認証システムに関しては次年度に持ち越した。
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