研究分担者 |
齋藤 努 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (60280393)
工藤 憲昌 八戸工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (40270194)
野口 健太郎 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 准教授 (00335100)
山口 満 豊橋創造大学, 情報ビジネス学部, 講師 (60413762)
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研究概要 |
今年度は,実用的な採譜システムを実現するため,主に以下の点について研究を進めた.1.推定困難和音での未解決であった単音とユニゾン(同じ音高の和音)の区別,2.残されていた打楽器音を含む低音域(オクターブ0-2)の音高推定法,3.和音の連結処理(同じ音高が弾き直されたか否かの判別),4.音源分離からの音高推定の検討(音源分離が可能になれば音高推定精度が上がる). 1.については,楽音の位相情報を利用して単音(一定位相)とユニゾン(位相変化)の区別が可能になった.2.については,入力音と打楽器の相互相関関数を求めて打楽器を推定し,その打楽器音を入力音から差し引くことで,ノッチ型くし形フィルタで音高を推定し,約92%の精度を得た.3.については,和音の組み合わせからできる全パターンとのマッチングをとることで連結の有無を判断する方法を提案し,約92%の精度を得た.4.については,1音(楽音)をくし形フィルタで消去した出力に,そのくし形フィルタの特性を考慮して他音(打楽器,楽音)を再生する方法と,適応アルゴリズムによる方法を提案した. その他,打楽器音と楽音の組み合わせを,1打楽器+2楽音に拡張して,音域3-5オクターブで約92%の精度を得た.推定困難和音についても,前年度の400msでの判断から,200msでの判断を検討し,約80%の精度を得た.さらに,応用として楽器独習支援システムと楽音を視覚化して表現する方法を検討した.
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