研究概要 |
フロントガラス上での水滴の挙動を,できるだけ現実感を保持しながら高速に表現する手法を開発した.従来の手法に比べて,水滴の運動の自由度を上げ,ガラス面上を移動する際に生じる残留水滴,水滴の尾,及び複数の水滴の融合を簡易なモデルで表現可能にした.また,手法のさらなる高速化を図るため,できるだけグラフィックスハードウェアを活用してレンダリングを行うように映り込み画像をフレームバッファオブジェクトを利用して生成し,マッピング画像として使用する手法を開発・実装した.フロントガラス上の水滴表現に関する研究において,画質と高速処理の両立を目指した研究は本研究の他は見当たらず,実用化に対する貢献は大きいと考える.フロントガラス上での水滴の挙動に関してこれまでに得られた成果を,ITC-CSCC2008(国際会議,査読あり)で発表した. 地表面や物体表面に落下した雨粒がはじけ散る様子を,高速度撮影して得られた知見に基づく簡易表現モデルを考案し,実装して表現効果と計算負荷との関係を確認した.従来の地表面上の水はねに関する表現が,ミルククラウンの映像をサイズを変えながら貼り付けたものが主であったのに対して,本研究ではミルククラウンが現れるのは非常に限られた条件下のみで,かつ短時間のものであることを実験により確認し,落下する物体表面に合わせて3種類の現実に近いモデルを提案した点に非常に大きい意義があると考える.簡易表現モデルに関して得られた研究成果を画像電子学会年次大会で発表した.
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