研究概要 |
近年,次世代Webとして,セマンティックWebが注目されており,海外におけるISWC(International Semantic Web Conference)などの国際会議において活発に研究成果の報告が行われている.また,国内でも,Webインテリジェンスとインタラクション研究会など様々な研究会にて研究成果の報告が行われている.しかし,このように研究者間では注目を集めているものの,一般利用者の視点からすると,セマンティックWebは未だ知名度が低く,まだまだ研究段階にあるといわざるを得ない. このような背景には,現行のセマンティックWebに関する研究が,基盤部分に焦点を当てており,応用面を優先していないところにあると考える.そこで,本研究では,非常に多くのWebカメラをセマンティックWeb経由で知的に検索できる実用的な環境を構築し,これをインフラとして実社会に提供することにより,セマンティックWebの一般利用者への普及を試みる. このような背景のなか,平成19年度は,Webカメラの発行基盤の整備を行った.即ち,セマンティックWebを経由した知的な検索を想定した上で,個人でも知的な検索に利用できる形で簡単にWebカメラをWeb上に発行できる基盤の整備を行った.具体的には,Webカメラに付与するメタデータのスキーマの検討,メタデータの表現形式の検討,メタデータの記述に必要な概念の定義,及び,これらの発行ツールの実装を行った. 本基盤整備により,平成20年度から実施を予定していた,必要なWebカメラの知的な検索環境の構築やその運用評価が行えるようになった.
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