研究概要 |
本研究の目である「日本式アニメーションの制作環境を根本から改善し,より競争力の高いアニメーションコンテンツの制作支援システムの開発」を行なうために,研究内容を3つ分類した。1つは,現状の制作環境を解析するために,これまでに制作されてきたセルアニメーションを解析する事。2つ目は,解析した内容を使用して,アニメーション制作システムのソフトウエア化,システム化を行なう事。3つ目は,それらのシステムがスムースに制作現場に導入出来るように,論理的なアニメーション制作技術の教育手法を確立する事である。 セルアニメーションの解析には,Computer Visionによって図の解析を行なうのでは無く,人間の手によって図の構成を解析した。この手法から,後にアニメーション制作教育手法に発展させる道筋が出来た。 アニメーション制作システムのソフトウエア化については,ソウトウエア制作が当初の計画通りには進んでいない。これは,現状のアニメーションの解析を行なった結果,最初に設計した制作支援システムではカバーし切れない要素が発見された為である。本年度は,そういったシステムの不足要素を新たに組み込んだ,アニメーション制作支援システムを設計する。 研究の成果として特筆すべきは,科学研究費補助によって,昨年度までよりも現状のセルアニメーション作品の解析作業が進んだため,より多くの研究成果を発表することが出来た。また,システムの不足要素が見えてきた事によって,最終的な目標システムの全体像が固まって来た事が上げられる。
|