研究概要 |
コンピュータグラフィックスでは,(魚などの)群れの動作生成にboidアルゴリズムと呼ばれる手法を用いることが一般的である.現在のコンピュータでboidアルゴリズムを用いてリアルタイムにシミュレーションできる個体数は数千程度であるが,実際の魚の群れは数十万体以上になることがある.本年度は,群れの動作生成への階層性の導入,および表示および動作生成に詳細度制御という概念の導入を行った.本年度の成果を次に示す. (1)階層性を考慮することにより効率的な魚の群れの動作生成 boidアルゴリズムを再帰的に利用する階層的boidアルゴリズムにより,動作生成が大幅に効率化できることを示した,また,群れ内での個体の衝突回避や,障害物の回避なども考慮したアルゴリズムを考案している. (2)動作および表示の詳細度制御アルゴリズム 詳細度制御とは,物体の重要度(視点からの距離など)に応じて,物体の複雑さ(ポリゴン数)を制御する手法である.本論文では,この考えを表示だけでなく,視点から他の「部分群れ」に隠される「部分群れ」の動作を簡略化させることによって動作生成を効率化する手法を考案した. 上記(1),(2)の手法をプログラムとして実装し,動作生成および表示の大幅な効率化を実現した.
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