デジタル化した情報の爆発的な増加により、情報検索システムの使用者が急激に増加してきたのに伴い、利用者の検索特徴を適応し学習により検索精度を向上しながら使用していく検索システムが望まれている。本研究では、利用者が自らの特徴のある検索語を使用できる高精度の検索結果を提供でき、更に、利用者同士の"潜在的検索問い合わせ意図"を共用できる検索システムの研究開発を目的とする。本研究の要点は、"個人専用の情報機器から検索者の個人特徴を抽出する"といった"潜在的検索問い合わせ意図"ベクトル検索空間を作成し、空間上にベクトルとして射影された問い合わせ/検索対象を問い合わせ意図に沿って分布させることと、問い合わせベクトルと検索対象ベクトルの相関量の計量方法を検討することである。 本年度は、実験用システムの設計と開発を行い、次の機能、(1)"潜在的検索問い合わせ意図"の抽出機能、(2)ベクトル検索空間の作成機能、(3)問い合わせ/検索対象の空間射影機能を実現した。更に、相関量の計量方法に関する実験結果の収集と分析も行った。また、学習による検索意図を適応した文書ベクトル空間の構築方法について検討し、実験用システムも構築した。その性能に対した評価研究も行った。
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