研究課題
急激に普及しているSNSは、実世界の友人関係をインターネット上に構築し、信頼できるコミュニティの形成を狙ったものである。しかるに、SNSに参加するユーザの大規模化に伴い、使いやすさの低下と信頼性の低下という問題が発生する。本研究はこれらを解決し、安心して必要な情報を入手できるSNSシステムが備えるべき基盤技術の研究開発を目的とする。今年度は大規模なSNS空間を見やすく表示するため、ユーザ間のリンク距離、テキストの類似性に基づく視覚化機能のアルゴリズムを開発した。これにより、大規模なSNS空間の中で、目的としている人に効率よくたどり着けるようにナビゲーションすることが可能となった。また、大規模SNSの使いやすさを向上させるため、ユーザに信頼値を導入し、これに基いて適切な閲覧制限のモデル化と、これに基づくシステムの構築を行った。信頼値のモデルには、自分が周囲のユーザをどの程度信頼しているかを示す主観的指標と、各ユーザが周囲のユーザからどの程度信頼されているかを示す客観的指標を用いた。主観的指標はリンク距離の相関係数によりモデル化し、客観的指標はCNNアルゴリズムにより抽出されたコミュニティ内のユーザ数によりモデル化した。これにより、信頼できるユーザの空間を動的に作ることが可能となり、情報爆発時代において健全なコミュニケーション手段としてのSNSの発展を促進することができる。
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Electronics and Communications in Japan Vol.90,No.10
ページ: 127-138