本研究は、ビール、清涼飲料水、パーソナルコンピュータ、携帯電話を対象にして網羅的に広告映像の技法・修辞の調査・分析を行い、分析した広告映像を具体的な映像データベースとして整備する。そして、映像データベースを基に広告映像の技法・修辞の操作を行い、その効果について実験する。網羅的な広告映像の技法・修辞の調査・分析を通じて、映像技法・修辞の体系化と認知効果の整序を行い、ビール、清涼飲料水、パーソナルコンピュータ、携帯電話を対象にした広告映像制作支援情報システム(実験システム)の試作を行う。 本年度は、ビール、コーヒー及びお茶の広告映像の技法・修辞の分析(その1)を行った。 1.広告映像の収集(その1):民間の広告映像データベース会社から広告映像作品124本(1990〜2006年におけるビール、コーヒー及びお茶の合計10銘柄)を購入した。 2.広告映像の技法・修辞の分析(その1):収集した広告映像の124本について、広告映像のショット毎の映像技法(広告内容、演出、編集、音響)・効果分析、作品毎の映像技法(編集、音響)・映像修辞(映像技法の組み合わせ)・効果分析を行い、ショットと作品にインデックス(検索用のテキスト)を付加した。具体的には、ショット毎に、広告内容(場面、ヒストリー、要約、一言)、演出(主人公の役割・動き・名前・特徴、脇役の特徴、商品の表現形態・役割・動き・名前・特徴、台詞・効果音、空間的特徴、時間的特徴、カメラ撮影、特殊演出)、編集(ショット時間、動きのつながり、形のつながり、意味のつながり)、音響(台詞・効果音)、効果(雰囲気、気づいたこと)等の項目にて分析を行った。また、作品毎に、編集(時間順序操作)、音響(音楽の調子・曲名・演奏者名、語り、効果音)、広告映像修辞(広告映像技法の組み合わせパターン)、効果(雰囲気、気づいたこと)等の項目にて分析を行った。
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