本研究は、ビール、清涼飲料水、パーソナルコンピュータ、携帯電話を対象にして網羅的に広告映像の技法・修辞の調査・分析を行い、分析した広告映像を具体的な映像データベースとして整備した。そして、映像データベースを基に広告映像の技法・修辞の操作を行い、その効果について実験した。網羅的な広告映像の技法・修辞の調査・分析を通じて、映像技法・修辞の体系化と認知効果の整序を行い、ビール、清涼飲料水、パーソナルコンピュータ、携帯電話を対象にした広告映像制作支援情報システム(実験システム)の試作を行った。 本年度は、昨年度に開発した広告映像実験システム(映像データベース、検索・生成ルールを実装)を基盤として、検索・生成ルールの実験システムの開発(その2)、検索・生成ルール抽出実験、広告映像の技法・修辞の体系化を行った。 1.検索・生成ルールの実験システムの開発(その2):つなげて再生した映像を基に、それを視聴した人が、効果(購買意欲、興味、雰囲気、面白さ等)に関わるキーワードや文章を入力できる実験システムを開発した。 2.検索・生成ルール抽出実験:開発した実験システムを基に、商品に関わる様々なキーワードを入力し、それに基づく新規広告映像作品を視聴して、それに対する効果キーワードを収集した。そして、キーワードと効果キーワードとの関係を分析し、検索・生成ルールを抽出した。 3.広告映像の技法・修辞の体系化:平成19~21年度における広告映像の技法・修辞の分析、検索・生成ルールの抽出のための実験を踏まえ、広告映像の技法・修辞の体系の整序を図った。
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