研究概要 |
H19年度は,「会話データに基づく非言語コミュニケーションのパラメータモデルの確立」を目標とし,計画通り,以下の2点に取り組んだ. (1)データ収集・分析 ・文化によって非言語行動がどのように異なっているのか,文化を特徴付ける非言語行動は何であるのかを明らかにするために,ドイツと日本で比較対照可能なマルチモーダルコーパスを作成した. ・対話収集では,社会的関係の異なる3種類を用意し,各ペアから,1対話目:初対面の会話(約5分間),2対話目:ある目的に対しての議論(約10分間),3対話目:目上の人との会話(約5分間)の3対話を収録した. ・収録した対話数は,ドイツ人同士20組から計60対話,日本人同士22組から計66対話である. ・収録した対話データの中から,ドイツ人同士8組,日本人同士10組の対話について,発話の書き起こし,ジェスチャ発生箇所,ジェスチャ表現特徴,姿勢(頭部,腕,上半身)について,ビデオアノテーションツールを利用して,詳細なコーパスデータを作成した. (2)国際ワークショップの開催 ・本プロジェクトとドイツアウグスブルグ大学との共同研究が中心となり,Intelligent User Interface 2008(IUI2008)にて,Enculturating Interfacesと題したワークショップを開催した. ・その中で,ユーザインタフェース,特に会話エージェントの設計における文化的側面についての研究発表,及び議論を行った. ・南カリフォルニア大学ICTのDavid Traum氏を招待講演者に迎え,エージェントと文化についての最先端の研究についてご講演いただいた.
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