研究概要 |
本研究では「遠隔眼科診療ロボットのインタラクションデザイン」を具体的な事例として,ユビキタス・コンピューティング分野におけるデザイン手法を実現し,その評価を行う.デザインの初期段階において,システムの使い方をストーリ(シナリオ)として生み出し,それをペーパープロトタイピングの手法で速やかに評価し,その結果をもとに,新しいストーリを生み出すという繰り返しのプロセスを支援する.この活動を通して,ペーパープロトタイピングの手法を,ハードウェアが関与するSolid User Interface(SUI)に適用することを試みる. 研究期間初年度には,申請者が従来研究で遂行しているシナリオに基づく設計手法を基礎として,遠隔眼科診療ロボットのインタラクションの設計を行い,あわせてインタフェースのプロトタイプを構築した.ロボットとしてみた場合,マスタ・スレーブ型のロボットのうち,マスタ側のインタラクション・インタフェースを設計したことに相当する. システムのデザインにあたり,まず,平成18年度に実施してきた眼科専門医へ聞き取り調査をもとに,紙べースのプロトタイプ構築とインタラクションのシナリオ構築を行った.これらを眼科専門医に示して,シナリオに基づきロールプレイしてもらい,インタラクションの評価を行った.これらの結果をもとに,2画面のタッチ画面PCを基本プラットフォームとし,入力装置としてタッチ画面とジョイスティックを利用するインタフェースを構築した.加えて,紙ベースのプロトタイプの評価結果をもとに,動作バージョンのPCプロトタイプを構築した.
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