研究概要 |
本年度は個人情報を保護した上での知識発掘機能を実現するために必要なアルゴリズム,機能などの実装を進めることを目的に以下にあげる研究を進めた. 1.有用な知識を得るために必要な属性とそれほど必要でない属性の選別機能を実装した.本研究は,従来のものと異なり2属性間の相関を考慮したものとなっている. 2.データベース中のデータの中で,なんらかの属性値で他のデータに比べ良いか等しいものを含むデータを「スカイライン」と呼び,それを列挙する機能を「スカイライン問い合わせ」とよぶ.我々は,データ集合を対象とするスカイライン問い合わせを新たに定義し,それを効率的に計算する機能の研究を進めた.集合値のスカイラインであるため,従来のスカイライン問い合わせにおけるプライバシー問題を解決する手段として有用な手法となることが期待される. 3.暗号化されたデータベースに対する問い合わせ手法の開発もすすめた.とくに従来手法では「結合」問い合わせの計算コストが問題であったが,本年度開発した手法では,その問題点を解消している. これらの技術をベースにして個人情報を保護した上での2次元平面上でのパターン発掘を実現してゆくが,まだ,完成されていない必要技術もあるので来年度も引き続き,個々の必要技術の研究と開発を進めてゆく予定である.
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