研究概要 |
データベース中のオブジェクトの中で,何らかの属性値で他のデータに比べ良いか等しい値をもつオブジェクトを「スカイライン」と呼ぶ.本研究では,昨年度までに時間情報・空間情報を含むデータベースにおけるスカイライン集合間合せ機能の設計と実証実験を行ってきた.また,スカイライン問合せの拡張機能であるk-dominantスカイラインアルゴリズムの開発も同時に行ってきた.本年度の主な成果としては以下のような事項を挙げられる. ・集合単位のスカイライン問い合わせ機能の応用と実用実験本年度が,研究最終年度にあたるため,本年度は新たな機能拡張はあまり行わず,これまで研究として進めてきた上述の各技術の実装と応用と実用実験を行うとともに,学会で研究発表時に指摘を受けた問題点の検討を中心にすすめた. 上述の応用実験をとおして,本機能がクラウドコンピューティング環境からのデータマイニングに有効であることが予見された ・クラウドコンピューティング環境への応用可能性に関してフィージブルスタディ予見された有効性を検証するための実験を行い,本研究で開発した技術を応用してクラウド環境での個人情報をある程度のレベルで保障可能であることを確認した. クラウド環境での技術は本研究計画の当初目的を超えたものとなったが,最終年度までの成果として,当初目的であった個人情報保護技術を数多く開発し,公表することができた.
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