研究概要 |
研究目的 コミュニティに所属する他のエージェントから受けた検索結果履歴を基に,コミュニティ内での情報のありかの特定や,コミュニティ内で同じトピックに関心を持つエージェント同士のグルーピングを実現するピアツーピア(P2P)型の情報検索手法(以下,ACP2P法)に対して,セマンティックWebの技術ならびに,個人の操作履歴から個人の趣向する情報を推薦する技術とを導入し,これからのユビキタス情報環境で求められる個人特化型の情報システムへの拡張を目指すこと. 研究概要 平成19年度は,(1)セマンティックWeb技術を利用し,ユーザの検索要求とその検索要求に対して返された文書に対する評価情報,検索対象文書が表す意味カテゴリ情報や配布範囲を取り扱うための枠組みの開発と評価,並びに(2)ユーザの評価情報を利用した協調フィルタリング手法に基づく文書の推薦機能の開発と評価を行うことを計画していたが,(1)のセマンティックWeb技術を利用するベースとなる検索手法に対して改良の必要があることがわかり,その改良を優先した.具体的には,検索アルゴリズムの改良を行うとともに,情報検索手法の評価用テストセットを利用して,そのアルゴリズムの評価を行い,有効に働くことを確認した.更に,ユーザの評価情報を利用する手法を考案し,検索精度の向上に効果があることを確認した.(1)で実施予定の部分に関しては,平成20年度に実施することとし,その分の研究費を繰り越すこととした. (2)については,Webサーバ上に構築されたコミュニティサイトの実際のログデータ(6か月分)を利用し,一般のユーザベースの協調フィルタリング手法よりも精度よく推薦できる手法の開発を行った.また,これらの他に,ACP2P法が基盤とするマルチエージェントシステムの改良についても研究を実施した.
|