研究概要 |
まず,分散・統合データ解析の問題設定については,昨年度提案した「飼い慣らし学習」を転移学習の一種と位置づけ,協調フィルタリングなど一般の学習スキームに適用するための礎を築いた.また,単純化したモデルについて理論的な解析を行い,飼い慣らし学習が比較的ゆるやかな条件で汎用性をもつことを示すとともに手法の改良を行った.飼い慣らし学習については大規模な数値実験を行う環境を整備し,シミュレーション実験などの結果を研究発表した. 一方,情報幾何に基づいたデータ解析法についてはベイズ推定による定式化を進め,変分ベイズ法とラプラス近似を用いた高速なパラメータ推定手法を開発し,次元縮約とクラスタリングの同時最適化を提案し,実データを用いた数値実験で有効性を示した国際論文として発表した.顧客分析やセンサーネットの情報処理において高い汎化能力を持つデータ解析手法として今後重要性を増していくと考えられる.また,プライバシー保護の観点からも今後有望な枠組みを提供した.また,当研究計画の最終年度ということで,全体の結果をレビューする論文を投稿し,採択され22年度に出版予定である.
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