研究概要 |
球面画像処理は,脳画像,顔画像の認識など,静止形状の3次元認識には利用されている。しかし,本研究で取り扱う,変動する球面分布の認識分類はまったく例をみないものである。そこで,球面上において定義された関数のハターン認識理論を構築するために,球面上の関数の境界,骨格などの不変特徴量の抽出,球面上に描かれた形状パターンの整合など,通常の画像や平面状の形状処理に対して開発された特徴量抽出理論を球面画像に適用するために,形状のトポロジーを保存する情報圧縮表現として骨格化を検討した。 平面上の骨格抽出方として,(1)非線形拡散方程式に基づくもの,(2)計算幾何学に基づくものの2種類がある。これらの手法を球面上の形状に対して適用する場合,それぞれ,(1)曲がった空間における波面伝播,(2)曲がった空間における組合せ幾何学が必要となる。(1)波伝播,(2)計算幾何学の分野においてその一般論が研究されている。これらの手法を,曲率が正の一定値である曲面,すなわち球面に制限することで,高速高精度な,特徴量抽出手法を開発した。
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