平成19年度の計画としては、柔軟対象物の変形量推定を高速化する手法の開発、およびレンジファインダ装置用の小型レーザ投光器の開発を挙げた。これらに対して、以下のような成果を得た。 柔軟対象物の変形量推定を高速化する手法については、変形量推定を高速化するプログラムの開発とその有効性を検証することを第一の目標とした。TPS-RPMという手法を用いて推定を行う際に使用する点の数を間引きすることで高速化を行うことはこれまでに明らかになっていたが、計算時間に最も影響する部分でのみ間引きをする方法を新たに工夫することにより、精度を悪化させることなく計算速度を短縮する手法を開発した。実際に様々な距離画像および間引き率に対して、本手法と他に開発した間引き・補間手法とを比較することにより、本手法は計算時間がほぼ同等で精度を大きく改善できることを確認し、本手法の優位性を検証することができた。現時点では目標としているビデオレート(1/30秒)での処理は実現できていないが、今年度の成果から、より適切な間引き率を設定することで処理を高速化させる方針の有効性も確認できた。その方針に基づいてプログラムの開発を行うための開発環境を整えた。また、変形トラッキングの応用例の検討については、現在もなお検討中の段階である。 小型レーザ投光機の開発については、市販の装置の部品を流用・改造することで、応募段階で考えていた装置よりも安価に構築する方法を考案した。現在、考案した構成に基づいて装置を構築している。独自に設計した一部の部品については現在工作中であり、装置が完成次第に評価を行う計画を立てた。
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