研究課題/領域番号 |
19500156
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
冨永 将史 早稲田大学, 付置研究所, 講師 (80409747)
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研究分担者 |
橋本 周司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60063806)
大田 紘高 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (90409748)
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キーワード | センサ融合・統合 / 画像情報処理 / コンピュータビジョン / 行動環境認識 / 自律システム |
研究概要 |
本研究の目的は、ロボットの目的に応じた動作決定は人間に委ね、人間が気づかない障害に対してはロボット自身が様々なセンサを統合して対処する半自律移動型の遠隔操縦ロボットの実現である。主に、遠隔地から人間による操縦性を向上したインタフェースの構築および、複数の異なったセンサの協調による周囲環境を把握し自律行動を助けるシステムの研究を行った。 遠隔操縦インタフェースの研究として、全方位カメラを用い、人間の行動予測の概念を取り入れる研究を行った。伝送にタイムラグがあり現時刻の画像がオペレータのもとへ未到着な場合、既に届いている過去画像から、仮想的に現在の位置の予測画像を生成し提示することで操縦性の向上を図った。予測画像は、移動速度と制御信号より、過去画像に拡大・縮小・回転を施すことで実現した。ただし、ロボットの移動に対し周囲環境の変化は単純な拡大・縮小ではなく、距離によって変化量が変わる。そこで、レーザ式測域センサを併用して距離計測を行い、距離に応じた画像の未来予測を行うことで、より違和感の少ない操縦インタフェースを構築した。 複数のセンサを用いて自律行動を助けるシステムの研究として、環境に埋め込まれたカメラおよびRFIDタグを用いた、周囲環境の把握・自己位置推定制度の向上を行った。ロボットのおおまかな自己位置は、搭載したRFIDセンサと方位センサから推定した。この位置精度は周囲環境に設置したタグの間隔などに依存するため、安全性を高めるためには、より精度の高い位置を推定する必要がある。周囲環境となる建物の建築時の3次元図面データを利用し、これとロボットに搭載したカメラからの実画像を比較することで、推定位置の精度向上を行った。 構築した遠隔操縦インタフェースにより適切な位置での停止や旋回が可能となり、複数のセンサ統合により位置の推定精度を高めたことで、副次的に安全性の向上が期待できる。
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