研究概要 |
本年度は独自の脚制御器(Leg Controller, LC)を設計し、四足動物を模擬した筋骨格系と組み合わせて、後2脚モデルのステッピング運動をシミュレートした。その特徴は、「センサ情報に依存する姿勢制御」と「センサ情報に駆動される周期運動制御」の統合を目指して、局所フィードバックの結果として物理的な自励振動を発生させる、よりセンサ情報依存型の非振動子CPGを設計した点にある。 具体的には、LCは3つのパートからなる。それらは、Neural Phase Generator (NPG), Motor Output Shaping Stage (MOSS), Propulsive Force Control Module (PFCM)である。NPGの活動は制御する脚の現在の相を特徴づけている。NPGの活動の遷移はセンサ情報に大きく依存している。NPGへのフィードバックに用いられるセンサ情報は、Anterior Extreme Position (AEP), Posterior Extreme Position (PEP), Leg Loading (LL)と呼ばれるものであり、LLは脚への負荷として計測される。NPGの活動に関連づけられるのは、MOSS内のsynergies"と呼ばれるセットである。おのおののsynergyはフィードフォワードとフィードバックの要素を持つ。このような要素の出力は運動ニューロンで加算され、筋肉の活性度となる。PFCMは、上位中枢からの緊張性の単一入力に対して、推進力を調節するLCの蔀分である。 我々は、上位神経システムからの単一の緊張性入力の変化による、自律的な移動速度変化とステッピング・パターンの調整にも成功した。
|