研究概要 |
生活支援ロボットと人間が位置に関する情報などをやりとりをするためには,環境の構造と重要な物体の配置を持った地図が有用である.そのような地図の自動生成において,すべての物体を認識・記述する必要は一般にはなく,どのような物体をどのような詳細度で記述するかは利用目的によって異なる.そこで,視覚移動ロボットが目的に応じて環境の構造や重要物体の配置を自律的に獲得する環境情報要約について以下の研究を行った. 物体認識の信頼度モデルの作成:物体認識のための画像特徴としてSIFTを利用することとし,カメラと物体との相対位置・姿勢と観測可能なSIFT特徴数との関係をモデル化し,さらにそれを用いて物体の姿勢の確率分布を推定できることを示した. 効率的な環境情報要約のためのコストを考慮した観測行動計画の生成:効率的な要約を実現するための観測行動の計画手法を研究した.まず,環境情報要約問題を(1)自由空間地図の生成,(2)特定物体の発見と記述,の2段階にわけ,それぞれについて観測地点を計画する手法を開発した.特に,後者では上述の観測の信頼度モデルを利用して,各観測候補地点での認識成功率を推定し,それを基に認識終了までのコストの期待値が最小となる観測計画を比較的短時間で生成する手法を開発した. 環境情報要約システムの構築と実験的評価:移動ロボットにステレオカメラ,レーザ距離センサを装備した環境情報要約のためのロボットシステムを構築した.通常のオフィス環境において,観測行動を計画しながら環境情報要約を実現した.
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