• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

ウェブ空間における群集の社会的相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500176
研究機関会津大学

研究代表者

成瀬 継太郎  会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (10301938)

キーワード感性社会学 / コミュニケーション動力学 / 社会ネットワーク
研究概要

本年度は,ウェブにおける個人間のメッセージの授受による社会的相互作用を解明することを目的に,以下の2つのアプローチにより解明した.
(1)実証的アプローチ
ウェブ掲示板というパブリックな双方向型メディアを対象に,様々なサイズや話題のデータを収集し,その統計的な性質を調査した.その結果,話題のジャンルや内容を問わず,質問-回答型のコミュニケーションでは,質問がされてから回答が得られるまでの時間間隔はポアソン到着,すなわち質問はランダムな訪問者により発見され回答されるという性質が明らかになった.一方,一つのテーマに関して多岐に話題が展開するおしゃべり型のコミュニケーションでは,べき分布というランダムではない傾向が示された.また,一人あたりどれ程の書き込みをするかについても,質問-回答型は指数分布のような,おしゃべり型ではべき分布に近い傾向が確認された.
(2)構成的アプローチ
上のような特徴が何故現れるかを解析するために,個人間の相互作用仮定をモデル化し,シミュレーションによりそのモデルの妥当性を検討した.ここでは,あるメッセージは他者が他のメッセージを送るための動機を誘発すると仮定し,その動機が伝播することにより社会的コミュニケーションが行われているとした.そして,その相互作用の動力学に砂山モデルとして知られている数理系を導入し,その適用可能性を調査した.その結果,各個人の友人関係という社会性にある程度のランダム性を導入することにより,実際のデータで得られたような性質の違いが,一つのモデルで表現することができた.これより,動機が伝播するという仮定が現実のウェブ掲示板においても存在していると考えられ,これが社会的コミュニケーションを支配する大事な要因であると推測される.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Web上の議論における盛り上がりの統計的解析2008

    • 著者名/発表者名
      海野, 成瀬
    • 雑誌名

      2008年精密工学会春季大会講演論文集

      ページ: 975-976

  • [雑誌論文] The Possibility of an Epidemic Meme Analogy for Web Community Population Analysis2007

    • 著者名/発表者名
      M. Kubo, K. Naruse, H. Sato, T. Matsubara
    • 雑誌名

      Intelligent Data Engineering and Automated Learning, Lecture Notes in Computer Science, vol.4881

      ページ: 1073-1080

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 砂山モデルによるウェブにおけるメッセージ相互作用の解析2007

    • 著者名/発表者名
      成瀬, 久保
    • 雑誌名

      第8回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会

      ページ: 855-856

  • [学会発表] User Social Interaction in Web BBS as Sandpile2008

    • 著者名/発表者名
      K. Naruse
    • 学会等名
      3rd International Nonlinear Sciences Conference
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2008-03-13

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi