研究課題
本研究の目的は、神経系の可塑性と安定性の理解に基づき、その実用的な数理モデルを得る事である。具体的には、実データに応用できる可塑性と安定性のバランスに優れたニューラルネットワークの動的構造学習アルゴリズムを開発する事と、体性感覚の可塑性と安定性をシステム論的に理解する事である。動的構造学習アルゴリズムでは、自動診断などの為のニューラル・クラシファイヤーの構築、オンライン・ショップで顧客が購入に至るまでの遍歴データからのシンボリック・ルールの抽出、自律ロボットの適応行動の生成、を具体的なターゲットとする。体性感覚では特に生体警告防御系に着目する。今後、ロボットなどに皮膚感覚や内臓などからの深部感覚を持たせる事が重要と考えるからである。具体的な研究成果としては、以下の2つが上げられる。まず、記号知の構造化に関する研究として、ニューラルネットワークと複数のニューラルネットワークで構成されるニューラルネットワーク集合の構造学習について、ダイナミックに変化する入力空間の構造学習と、進化と学習を組み合わせた動的構成法を提案した。また、医療診断データなどからのルールを抽出する新しいアルゴリズムも提案した。つぎに、生態警告防御系に関する研究として、種々の可視化技術を開発し、実際の神経系において警告信号入力が2次ニューロンに信号伝達を行う一次シナプスが可塑的で、それがグリア細胞で調節されていることを示した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件)
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