研究概要 |
本研究は画像圧縮、音声処理、データマイニングのような応用の基礎となるデータ圧縮技術の実現方法として、高速なベクトル量子化法の開発とFPGA上での実装を目指したものであり、以下のような成果が得られた。 1)アンサンブル学習(バギング、フイルタ,アダブースト)をベクトル量子化に応用した。その結果、数値シミュレーションによりフィルタ、アダブースト、バギングの順に能力の向上がみられ、いずれの場合もパラメータ数を数倍として、10倍の速度向上、2倍以上の精度向上が実現できた。 2)アンサンブル学習をファジィシステムに応用することにより、同様の能力向上が実現できた。さらに、並列化モデルを提案し数倍の高速化を実現した。 3)FPGAを用いたディジタル回路でベクトル量子化法を構成し、ソフトウエアより9倍の高速化を実現した。 4)ファジィシステムのディジタル回路化を目指し、除算を用いない回路を提案し、面積を1/3、動作速度を4倍の回路を実現した。この結果はまた、アンサンブル学習により精度が保証される。 以上、ベクトル量子化やファジィシステムへのアンサンブル学習を導入し、高速化と精度向上を与えるアルゴリズムを提案し、その有効性を示した。また、ディジタル回路化を目的とした回路設計をFPGAを用いて行い、評価を行った。本研究を通して、ベクトル量子化へのアンサンブル学習導入の有効性が明らかとなり、FPGAによるディジタル回路設計によるさらなる高速化が実現できることが明らかとなった。結果は、国際ジャーナルや国際会議等で発表した。
|