研究課題
本研究では、今まで明らかにしてきた非対称構造、対称構造についての研究手法および結果を網膜レベルより上位にある視覚系の神経回路、すなわち、大脳皮質のV1野およびそれを入力とするMT野に適用して、V1野の刺激に対する方向性のベクトルの強さの観点から、研究を進め、層状ニューラルネットの次の層である、MT野のベクトルの強さが、さらに強くなることを計算論的手法により示した。この結果はニューロサイエンス分野でのV1野に比べて、MT野の方向性に関しての神経細胞がより大きな方向性の強さを示すという知見と合致している。本研究では、大脳皮質のV1野とそれに続くMT野の層状の回路が、非対称構造のネットワークを基本として、高次の非線形性で表わされることを計算論的に明らかにした。この高次の非線形性の非対称回路は、MT野においては、非線形性を有する非対称構造の基本回路の冗長性のある回路構造となることを計算論的に示した。このことはMT野の方向性刺激に対して、強い方向性ベクトルを有することに帰着し、MT野に引き続く、MST野でのベクトル場の生成の基本要因となることを示唆することになる。ここでは、新しい混合ガウス性刺激の入力についての計算論的手法の示唆が得られた。さらに、層状ネットワークのアンサンブル処理の機能について着目し、アンサンブル処理を取り入れたテキスト分類という新しい分類処理法に展開した。
すべて 2008
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