研究概要 |
確率モデル遺伝的アルゴリズムにおいて,解候補の生成に部分解を利用する研究は国内外においてほとんど行われていないのが現状である.部分解の利用は,確率モデル遺伝的アルゴリズムの確率モデル生成において,モデルへのポジティブフィードバックによる過度な集中化を緩和し,初期収束が阻止できる. 平成19年度は,確率モデル遺伝的アルゴリズムにおける部分解利用の効果を,巡回セールスマン問題(TSP)および2次割当て問題(QAP)を用いて実証的に明らかにした. アリの群行動にヒントを得た探索アルゴリズムにアントコロニー最適化(Ant Colony Optimization;ACO)があるが,ACOでは,アリが放出するフェロモン濃度の分布を基に解候補を生成するという点で,確率モデル遺伝的アルゴリズムと本質的に類似の探索手法である.ACOでは,コロニーにおけるフェロモン濃度の分布を表すフェロモン濃度マトリックスが確率モデル遺伝的アルゴリズムにける確率モデルに対応する.本研究の一環として,ACOにおける部分解利用手法として,cASを提案し,その評価もTSP,ならびにQAPを用いて精力的に実施した.また,ローカルサーチを組み合わせた場合の提案手法の評価も実施した.
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