研究課題
1.近年、統計力学の分野で着目されているTsallisエントロピーを導入したファジィc平均クラスタリング(FCM)法について検討した。FCM法の目的関数をTsallisエントロピーで最大化することで統計力学的な帰属度関数が導出される。この帰属度関数の性質について調べたところ、従来のファジィエントロピー最大化FCM法の帰属度関数がガウス型の分布形状であるのに対し、新手法の帰属度関数はCauchy型であることがわかった。その結果、Cauchy型のなだらかな分布形状により、大域的なクラスタリングが可能になるという特徴が得られた。2.Tsallisエントロピー最大化FCM法と確定的アニーリング法の組み合せにおいて、初期温度の設定法と冷却法について検討した。データ分布の拡がりと帰属度関数の遷移領域幅の一致条件から初期温度が設定される。また、指数関数的に温度を下げる超高速アニーリング法の適用では、ファジィエントロピー最大化FCM法よりも安定したクラスタリングが可能なことを確認した。3.ファジィクラスタリングの可視化手法として次元削除法を提案した。次元削除が帰属度に与える影響が最も小さい次元から順に削除することで高次元データの次元を削除し、さらに、帰属度の大小をデータポイントのサイズと色の濃淡で表すことで可視化を行った。実問題への応用としてアンケートデータのクラスタリング結果の可視化を行い、その効果を確認した。
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岐阜工業高等専門学校紀要 Vol.45
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