研究課題
平成20年度の調査研究において、以下のような具体的進展がみられた。1)「サイバー・エスノグラフィー」を実施するための具体的な方法論、手順の画定を行い、調査研究の実施、データ収集を行った。調査協力者に、ライフログ的情報(日常行動・情報行動、対面会話、パソコン利用、PCメール、ネットコミュニケーション利用(とくにSNS)、携帯メール、携帯情報サイト利用、電話(携帯・固定)利用)を4日間記録してもらう。そのための記録書式、ソフトウェアの選定を行った。また、これらの記録収集に合わせ、調査者一人あたり、計3回、1回あたり2時間程度のインタビューを行った。そして、調査協力者がより大きな母集団においてどのような位相にあるかを把握するためのアンケート調査を実施した。こうした情報記録、インタビュー調査を、高校生から60代までの東京圏在住男女合計48名(内27名が大学生)の調査協力者に実施した。2)情報ネットワーク行動調査における研究者倫理については、理事を務める日本社会情報学会(JASI)の学術委員会に「研究者倫理研究会」を設置することに貢献を行い、現在、具体的な検討を行っている。3)イギリス、オランダ、フィンランドの研究者と意見交換を行い、「サイバー・エスノグラフィー」を情報ネットワークが進展し、社会的活動空間が変容していく過程において、知識産出の在り方を捉える新たな方法論的枠組として、mixed methods、emergent methodsと称される展開が2000年代になり発展しっっあることを確認し、「サイバー・エスノグラフィー」をそうした方法論的枠組として具体化することの必要性を認識した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
日本社会情報学会学会誌 第20巻第2号
ページ: 43-55
Journal of Socio-Informatics Vol. 1, No.1
ページ: 57-70
ページ: 137-146