本研究は、実務経験がない学習者がプロジェクトマネジメントのスキルを習得する教育方法の確立を目的とする.具体的には、プロジェクトマネージャー(以下、PM)あるいは他のステークホルダーの役割を学習者が仮想プロジェクトのシステム開発場面で演じるためのロールプレイ演習シナリオの開発方法を確立する。併せて、学習者が仮想プロジェクトの中でシナリオに沿いプロジェクトマネージャーの仕事を疑似体験するロールプレイ演習システムを開発する。 これらの研究成果を基に大学・大学院におけるPMの早期育成コースウェアを開発し、それらを講義で用い、継続的に改善し、コンピテンシーが高い人材を育成する。併せて教材作成と演習結果の評価分析を効率的に行えるようにする。 UML (Unified Modeling Language)を用い、仮想プロジェクトに登場するステークホルダーとその役割をユースケースで、プロジェクトの進捗状況をアクティビティ図で記述し、一つのアクティビティを演習課題としてロールプレイ演習シナリオに組み込む方法を開発し、28個の演習課題を含む4つの演習シナリオを開発した。また教育効果を測定するためにロールプレイ演習中の学習者行動履歴を捕捉する機能とプロジェクトマネジメントスキルの演習目的に適するシナリオを実行できるロールプレイ実行管理機能、および演習後直ちに学習者に演習結果をフィードバックする機能を追加実装した. 平成21年度は、これらの成果を基にリーダーシップやチーム運営などのヒューマン系スキルの習得状況を定量的に評価する方法を研究する。
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